
こんな声にお答えします。
今回は、簿記のメリットについて、3級から1級まで徹底考察します。
また、簿記のデメリットについてもお伝えします。
日商簿記は数ある資格の中でも有名なので、知っている方は多いです。
ですがそのメリット・デメリットとなると「なんとなくしか知らない」という方も多いのではないでしょうか。

簿記のメリット・デメリットをはっきりと知ることができれば、簿記を取得するかどうかの判断が付きます。
すでに勉強中の方はモチベーションアップにもつながります。
ではさっそく始めていきます。
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簿記を勉強するデメリット

まずはデメリットから入ります。
簿記を勉強することによるデメリットは次の3つです。
勉強するのに時間がかかる
簿記資格を取得するまでには一定の勉強量が必要になります。
つまり、一定の勉強量をこなすための勉強時間を確保する必要があるということ。
簿記検定に合格するまでに必要な勉強時間は一般的に、簿記3級は50~100時間以上、簿記2級は100~200時間以上、簿記1級は500~600時間以上と言われています。
スタディング:簿記検定合格までに必要な勉強時間はどれくらい?
こちらはあくまで参考程度の勉強時間で、個人差もあります。
趣味や生活の時間を削って勉強時間を確保する必要があるのが、デメリットの1つ目です。
合格できる保証はどこにもない
簿記を取得するためには勉強時間を確保する必要があるといいました。
しかし、勉強時間を確保してしっかりと勉強しても合格の保証はありません。
たとえ模擬試験で満点をとっても、本試験で合格点に届かないと資格は手に入りません。
勉強したとしても合格の保証がないのがデメリットの2つ目です。
勉強・取得しても社会や生活で役に立たない
「勉強しても、簿記資格を持ってても役に立ってない」
こうした意見も一定数あります。
当然役に立つ、立たないの判断にはその人の主観が入り、また今までは役に立たなかったという現時点含む過去に限定されており、何とも言えない部分があります。
ですが、「簿記はなんも役に立たない」という実感を抱いている人も一定数いるというのは事実です。
簿記の勉強をするメリット

簿記は勉強して得ることができる知識だけでも財産になります。
筆者が簿記を勉強して得ることができた具体的なメリットは主に次の3つです。
世の中のお金の流れについて詳しくなれる
簿記を学ぶわけなのでとうぜんお金の知識を身に付けることができます。
会社でどのようなお金の流れがあるのか、世の中ではどのようにお金が動いているのか。
財務諸表といった、会社の一連のお金の流れをまとめた集計表の作り方も分かるので、それを読み取れるようにもなります。

はい、簿記知識がある人にとってはついつい常識のように感じてしまいますが、こうしたお金の知識がある人の方が稀です。
20歳以降に簿記を勉強した筆者には、簿記知識の有無がもたらす経済観念の違いがよくわかります。
ただし、簿記を勉強したらすぐにこうした違いを実感できるわけではありません。

おそらく筆者はまだまだ浅瀬にいるのだと思いますが、これからさらに深まっていくと思うと楽しみでもあります。
ついつい忘れてしまいがちですが、「このようにお金が流れているのだな」と、俯瞰して世の中を見る視点が以前とはまるで別世界です。
勉強の習慣が身につく
これは簿記に限りませんが、勉強習慣が身につくようになります。
筆者自身、簿記3級の勉強を始めてから、高校生以来の勉強習慣ができました。

ですが最初は小さな時間から、徐々に勉強時間を拡大していき、いまも継続できています。
簿記3級は難易度も比較的やさしいので、勉強習慣作りのきっかけにも効果的です。
自分の資産やその価値を把握できるようになる
簿記を勉強すると資産や財産といったものへの理解が深まりました。
もともと財産=お金で、貯めたり使ったりするものとしか認識していませんでした。

でも簿記を勉強して「資産」や「負債」といった概念もよくわかるようになりました。
「小銭や札束だけではなく、資産価値のあるものも自分の財産になる。」
これをはっきりと理解できるようになりました。


会社における資産は、利益貢献する可能性が高いものという側面が強いです。
例えば工場は資産で、中で作られたものがお金に変わると考えられますが、一般にみんなが住む家が利益を生み出しているとは言えないと思います。
もちろん家が「住む人を幸せにするという役割をもつ資産」と考えれば、幸福に貢献する財産と考えることはできます。
しかし簿記における資産はそうした社会生活上における幸福うんぬんより、基本的には利益貢献が第一に考えられます。

これも単純な話ではありませんが、徐々に物の価値への分別が付き、理解が深まってきていると思います。
まだまだメリットはありますが、ぱっと出てきた3つだけここでは挙げました。
では次に日商簿記資格を取得するメリットについて、3級、2級、1級の順で解説します。
簿記3級のメリット

簿記3級を取得すると到達できるレベルはこちらです。
基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。
日商簿記 – 商工会議所の検定試験
そんな簿記3級、取得するとこんなメリットがあります。
就職や転職に有利
簿記は英語とプログラミング言語に並び、ビジネスに必須な3大言語とされています。
簿記3級ではそんな簿記の基礎知識を学べます。
取得すればビジネスの基礎知識を習得している人として企業側から判断されます。
履歴書に書くだけでプラス要素の一つとして評価がもらえるのです。
どんな仕事にも役に立つ
簿記3級は営業職の方でも役に立ちます。
得意先の売掛金残高の管理、経営状態の判断ができるベースの知識を得られます。
なのでこれらで悩まされている方にも簿記3級の知識は助け舟です。

また副業や独立をしている方にもオススメです。
3級の知識があれば経営分析ができたり、確定申告や会計作業がスムーズに行えるようになります。
上位資格への挑戦がしやすくなる
簿記3級を取得すれば、簿記2級への挑戦がしやすくなります。

また、そのほかにもFPや中小企業診断士とも相性がいいと言われています。
さらにいえば税理士や公認会計士などの上位資格の知識の土台ともなります。
さまざまな資格との相性がいいのが簿記3級です。
簿記2級のメリット

簿記2級を取得すると到達できるレベルはこちらです。
高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。
日商簿記 – 商工会議所の検定試験
そんな簿記2級、取得するとこんなメリットがあります。
経理になれる
経理の採用に簿記2級を条件とする企業は多いです。
簿記3級を条件とするところも多いですが、簿記2級を取ればさらに窓口が広がります。

特に未経験から経理になりたい方は、簿記3級では決め手には欠けます。
社会人経験も事務経験もない筆者が経理になれたのは、間違いなく簿記2級のおかげです。
昇進や資格手当がもらえることも
これは筆者はまだ恩恵にあずかってはいませんが、簿記2級を取得するとこのようなこともあるとか。
「簿記2級は最も多くの企業が求めている会計知識のレベル」とされているので、簿記2級の資格をもっている方を評価されやすい傾向にあるようです。
仮に資格手当が月1万円とすると、年間12万円、20年で240万円です。
また、「簿記2級+別の資格」ではありますが、年収を大きく上げられた方もいます。
【悲報】事務職の給料が上がらない理由3つ!低い年収から150万上がった体験談
簿記2級は簿記系の資格で勉強時間に対するメリットがもっとも優れていると言われているのは、収入に直結するこの点も大きいのでしょう。
さらに上位資格への挑戦につながる
これは簿記3級と同じですが、簿記2級もたくさんの上位資格と相性がいいと言われております。

他にも先に簿記3級と相性がいいと書いた資格への挑戦もさらにしやすくなります。
簿記1級のメリット

簿記1級を取得すると到達できるレベルはこちらです。
極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル。
日商簿記 – 商工会議所の検定試験
そんな簿記1級、取得するとこんなメリットがあります。
大企業経理や財務への就職、転職が狙える
簿記1級は大企業や上場会社の子会社で求められる簿記知識の証明になります。
大企業へ挑戦を視野に入れたいという方は、簿記1級があるとその選択肢が見えてきます。
逆に中小企業では過剰な知識ともなりますので、特に大きな会社で働くつもりのない方は簿記2級で十分です。
ですが選択肢を増やすという観点から見れば、簿記1級を取得することは価値あることだと考えています。

税理士への受験資格が得られる
簿記1級を取得すれば、税理士への受験資格がもらえます。
税理士への受験資格には
- 学識による受験資格
- 資格による受験資格
- 職歴による受験資格
の3つがあります。
このうち日商簿記1級は2番目にあてはまります。

また、そのほか公認会計士といった難関資格とも学習範囲が重なる所も多く、ステップアップの土台となりえます。
日商簿記をコンプリート出来る
これはおまけですが、もしかすると一番のメリットかもしれません。

簿記1級は日商簿記資格の最上位資格です。
これを取得すればコンプリートしたという自信が得られます。
簿記のメリットを活かして実際にご活躍中の方々

簿記3級から1級までそのメリットを考察してみましたが、実際のところはどうなのか?
という疑問を持つ方も多いかと思います。
なので今回は簿記資格をとって実際にご活躍されている方を3名ご紹介させていただきます。
おはなさん
主婦でありながら簿記2級を取ってなんと大企業経理に就職。
現在はスタートアップ企業のバックオフィスを担うキャリアウーマン。
そんなおはなさんの簿記をとって人生が変わったことが知れる記事はこちらです。
テツオさん
簿記1級をとって総合職から念願の社内の経理部に異動。
そのまま出世ルートに乗り、現在なお爆走中。
テツオさんが社内で躍進のキッカケをつかめた本当の話が知れる記事はこちらです。
日商簿記検定1級に合格したら人生が変わった話(転職・出世・副収入・結婚)
ぼきちゃんさん
簿記系アニメクリエイターのぼきちゃんさん。
事務職から経理部に異動し、簿記3級と2級を取得。その後脱サラ達成。
現在では簿記アニメを配信し、ご活躍中。
ぼきちゃんさんのプロフィールはこちらから。
そんなぼきちゃんさんから、YouTuberになった経緯をわざわざメッセージで聞くことができました。
『自分が勉強が苦手で、簿記も何度も挫折しそうになった。だから同じような人に苦労も挫折もしてもらいたくない。誰でも楽しく分かりやすく簿記を学べる環境を作りたいと思っています。その為にはアニメで教えるということが最適と考え、YouTubeでの活動を始めました。』

簿記アニメを見たいという方はこちらからどうぞ。

おまけ:高校生が簿記を取得するメリット

筆者は高校時代、都内のそこそこの大学を目指して勉強し、無事合格できました。
しかし、結局金銭的な問題などで中退しました。
大学の合格を目指して勉強して受かっても、卒業しなければむしろマイナスです。
しかし、資格は別です。
合格すれば、その資格はずっと手元に残ります。

なんて考えてももう後の祭りでしたね。
大卒資格は試験に合格しても手に入れることはできませんでしたが、簿記資格は試験に合格するだけで手に入りました。
大卒資格をdisるわけではないですが、一般の資格の方が役に立つ人生もあると思います。
まとめ:猫と猫型ロボットが簿記を取得する意味について

以上、簿記のメリット・デメリットをご紹介させていただきました。
おまけのおまけで猫と猫型ロボットが簿記を取得するメリットについて考えてみましょう。
猫が簿記3級に合格した場合
いや、猫ももしかすると簿記3級に合格できる時代になったのではないかと思っています。
というのもネット試験の導入で
・パソコンのキーを打つだけで点数稼げる
・試験問題が被る可能性もある
後者の試験問題が被る可能性とは、ネット試験の試験問題数が有限だと思われるからです。
ネット試験に登録されている問題数が99の場合、100回行けばそのうちの一回は同じ試験問題にあたる可能性があります。
なので、誰かが試験会場に行き、合格点を取れる操作手順をマスターし、猫にそのキーの操作手順を完璧に覚えさせることができれば、猫でも合格できるという妄想です。


......その通りだと思いますが、それで得られる恩恵は人に還元されるものでしょう。
猫自身にとっては人気になったところで、なんのメリットもないと思います。(多分)
少なくとも簿記3級が無いと猫が幸せになれることはないし、あったところで何に活かすん?って話です。
それより解法パターンを覚えるのと、100回試験を受けることのストレスの方が大きいでしょう。
筆者が大学に受かっても卒業できなかったのと似たようなもの、のような気がします。
簿記3級に合格出来ても、資格を活かせるメリットがないという人(猫)生です。
猫型ロボットが簿記1級に合格した場合
次に、2?世紀の猫型ロボットが簿記1級に受かったケースを考えてみましょう。
猫型ロボット=優秀なAIを保有しており、自律性があり、まあとにかくいつか誕生するであろう優秀なロボットです。
基本的に猫型ロボットには落ちこぼれという概念はないと考えて、そのスーパーロボットが簿記1級に受かった場合どうなるでしょう。


優秀な猫型ロボットが簿記1級に合格したところで、何に活かすん?って話です。
会計の仕事をさせるとしても、簿記1級という資格を会計知識の担保にするのでしょうか。
猫型ロボットはAIが搭載されており、あえて資格で証明せずとも会計知識があるってことを周囲に承知させることは可能だと考えます。
また猫型ロボットが、データベースにアクセスして秒で得た知識で試験に合格したところで、そもそもあえて資格を取るメリットはありますでしょうか。
ネットでカンニングしながらネット試験を受けるようなものでしょう。
もしくはハッキングして解答をダウンロードして、それを写す方が早いと考えて実行するかもしれません。
さて、世の中には簿記資格をdisる金持ち、詐欺で稼ごう系YouTuber、資格無用高学歴諸氏、ラッパー、その他いろんな人がいます。

別に簿記を取る人がお金持ちになれないとかそういう意味ではなく、目的やルート、現在地の違いだと思います。
簿記1級に合格出来ても、あえて資格を活かすメリットがない人(ロボット)生です。
簿記を取得してもそれをどう活かすかはあなた次第
先ほどの例は極論ですが、活かし方には、十人十色の方法があります。

筆者は「自分には簿記が必要だ」と考えて、勉強を始めました。
最初は簿記3級からでした。
今では簿記をとって本当によかったと感じています。
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